概要

人類が経験した最も悲惨な病気の一つとされるプリオン病は、体内のタンパク質が異常な構造に変化し、脳の機能に深刻な障害を引き起こす難病です。発症頻度は低いものの、一度感染すると現在の医療では治療法がなく、ほぼ100%の致死率を誇ります。さらに、長年の研究で空気感染の可能性が示唆されるなど、その脅威は計り知れません。

このプリオン病には、原因不明の「孤発性」、遺伝による「遺伝性」、そして汚染された食物などから感染する「獲得性」の3種類があります。特に獲得性プリオン病は、牛海綿状脳症狂牛病)のように動物から人へ感染するケースや、野生の鹿の間で広がる慢性消耗病(通称ゾンビ病)のように、将来的な人への感染が懸念される事例も存在します。

そして、この病気の最も衝撃的な感染経路の一つが、パプアニューギニアのフォア族に蔓延したクールー病です。これは、故人を弔う儀式として行われていたカニバリズム(共食い)によって人から人へと感染が広がり、多くの命が失われました。倫理的な側面を抜きにすれば、カニバリズムには栄養学的なメリットや、古代においては伝染病の蔓延を予防する役割があったとする生物学者の考察も存在します。この動画では、プリオン病の全貌と、カニバリズムが引き起こした悲劇、そしてその意外な側面について深く掘り下げていきます。