概要

刑務所内で受刑者が行う刑務作業は、社会復帰を促す重要な役割を担っています。北海道の函館少年刑務所が開発した「丸極シリーズ」は、その攻めたデザインと高い品質でSNSでも話題となり、テレビ番組で紹介されたことで爆発的なヒットを記録。全国の刑務所に独自の製品開発の動きを広げました。神戸刑務所の革靴や横浜刑務所のパスタ、横須賀刑務所の洗濯石鹸「ブルースティック」など、意外な人気商品が多数存在し、その品質と手頃な価格が消費者に評価されています。

刑務作業は、懲役刑の受刑者には義務付けられ、禁錮刑などの受刑者も多くが自ら志願して従事しています。その目的は、規則正しい生活による心身の健康維持、労働意欲の養成、職業的知識・技能の付与を通じた円滑な社会復帰の促進です。年間約21億円もの収入を国庫にもたらす一方で、受刑者への作業報奨金は平均月4,537円と極めて低く、その人件費の安さから「究極の低コスト工場」とも言われる実態があります。

また、過去には大阪刑務所で印刷されていたセンター試験の問題が絡む「大阪大学大阪市立大学医学部入試問題密売事件」という衝撃的な事件も発生。受刑者がバレーボールに試験問題を隠して外部に密売し、最終的には殺人事件にまで発展しました。出所後の就労支援として職業訓練や求人誌「チャンスタウンワーク」の配布など、受刑者の社会復帰を後押しする様々な取り組みも行われています。