概要
北朝鮮による日本人拉致問題は、1970年代から80年代にかけて日本国内外で多発した不可解な失踪事件に端を発します。当初は都市伝説の類とされていましたが、元工作員の証言や大韓航空機爆破事件の捜査を通じて、田口八重子さんや横田めぐみさんといった日本人拉致の事実が徐々に明らかになりました。2002年の日朝首脳会談で北朝鮮が初めて公式に拉致を認め、一部の被害者が帰国しましたが、多くの被害者については未だ真相が闇に包まれています。
北朝鮮が日本人を拉致した主な目的は、工作員の身分偽装(灰糊)や、拉致被害者を工作員として育成し、日本語教育係として利用することでした。特に、蓮池薫さんの証言からは、海外情報調査部や海外連絡部といった秘密工作機関が拉致を主導していた実態が浮かび上がります。しかし、国際的なテロ行為への関与が明るみに出ることを恐れ、北朝鮮は残りの被害者の帰国を拒否し続けています。
現在も拉致が続いているかは不明ですが、日本国内にはスパイを取り締まる法律がなく、「スパイ天国」と称される現状が指摘されています。IT技術者の不足に乗じて、国の重要システムに工作員が入り込む可能性も示唆されており、拉致問題の解決だけでなく、日本の安全保障体制そのものへの警鐘が鳴らされています。