概要

人気ドラマ『イカゲーム』の元ネタではないかと噂される、韓国の衝撃的な人権侵害事件「兄弟福祉院事件」をご存知でしょうか。1975年から1987年にかけ、プサンにあった民間福祉施設「兄弟福祉院」では、不労者や障害者、孤児など約3000人が強制的に収容され、想像を絶する虐待や強制労働が横行していました。当初は孤児保護を目的とした施設でしたが、全斗煥大統領政権下の内務部訓令第410号により、社会の厄介者を排除するための強制収容施設へと変貌を遂げたのです。

施設内では、食事も不十分な中で農場や作業場での強制労働が強いられ、暴力や性的暴行が日常的に行われていました。抵抗する者は暴行され、死亡診断書が偽装されるケースも多発。公式の死亡者数は657人に上り、一部の遺体は仁済大学に解剖用として売却されていたという驚くべき事実も明らかになっています。しかし、当時のパク・イングン院長は国民勲章を受章するなど、社会福祉の模範とまで称えられていました。

この事件は、1986年アジア競技大会1988年ソウルオリンピックを控えた社会浄化政策の裏で起きた、国家ぐるみの人権侵害として、イカゲームが描く社会的弱者の搾取や国家による抑圧と多くの共通点を持っています。動画では、イム・ミョンスクさんのような被害者の生々しい証言に加え、日本で起きた岡田厚生館事件、アメリカのウィローブルック事件、ルーマニアのルーマニア孤児虐待事件など、世界中で発生した類似の悲劇にも触れ、社会の影に隠された人権侵害の深層に迫ります。